キセル

キセルはパイプタバコの一種であり、日本や中国、朝鮮など東アジアの国々によく見られる喫煙具で、タバコを東洋に伝えたスペイン人やポルトガル人のクレーパイプを模倣したものだと言われています。

構造は、葉タバコを詰めて火をつける「雁首」、口を付ける「吸い口」、そしてそれをつなぐ「羅宇」から成っています。

雁首と吸い口はほとんどが金属でできており、間をつなぐ羅宇には竹や木、陶器、ガラスなどさまざまな素材が使われました。

日本では江戸から明治にかけて大流行し、時と場所また階層によって使い分けられていました。
吉原などの上等な女部屋の間では、遊女の位によって、帯の幅やキセルの長さが決まっており、ランクが上であればあるほど、帯は太くキセルは長いものとされていました。

そのため、一見するだけで遊女がどのレベルなのか、客が知ることができるという仕組みになっていました。

また、吸い付けタバコと言って、格子の外にいる男性に向けてキセルの吸い口を出すという遊女独特の客寄せ行為も行われていました。

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