芥川龍之介・太宰治

「羅生門」や「鼻」で知られる芥川龍之介は、生涯「ゴールデンバット」を愛した作家でした。

彼のタバコ好きは筋金入りで、「煙草と悪魔」という短編集まで残しています。
フランシスコ・ザビエルとともに到来した悪魔が、暇つぶしにタバコを栽培しはじめ、たまたま通りがかった牛飼いにその姿を見られ、「この名前を当てたら、この花(タバコ)をすべてあげるが、その代わりに負けたらあなたの魂をもらう」と賭けを持ちかけ、結局賭けに負けた悪魔は、タバコを渡したために日本中に広がったという話なのですが、見方を変えれば、悪魔はわざと賭けに負け日本にタバコを広めたとも言えます。

懐疑主義で有名な芥川ならではの作品といえましょう。

もうひとり、ゴールデンバットを愛した作家が太宰治です。

彼の体験エッセイである「美男子と煙草」をはじめとして、タバコがさまざまな作品にちりばめられています。

エッセイ「富嶽百景」では、「とりとめのない楽書をしながら、バットを七箱も八箱も吸い、また寝ころんで~」という記述があります。

太宰のヘビースモーカーぶりがうかがえる一節といえます。

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