ニコチンの動物実験
ニコチン依存症の実験として、動物実験が行われたという報告の中に、サルを使った興味深いお話があります。
実験は、次の通りです。
一匹のサルを檻に入れ、檻の中は比較的、自由に動けるようにしておきます。
1週間は何もせず、普通に過ごさせます。
そして青いボタンには、ただの空気を、赤いボタンにはニコチンのガスが噴射されるように仕掛けをしておきます。
2週間目、檻の中に、赤いボタンと青いボタンを設置します。
当然、サルは興味津々で、その2つのボタンをいじり始めます。
青いボタンを押します。
シュッという音と共に、噴射された空気に、サルは少し驚きます。
次に、赤いボタンを押します。
また、シュッ・・・。
今度は驚いただけではありません。
赤いボタンを、また、シュッ・・・。
何かの匂いを懸命に嗅いでいます。
シュッ、シュッ、シュッ・・・。
サルは、青いボタンには興味を無くしたように、見向きもしなくなりました。
代わりに、赤いボタンだけを何度も押すようになります。
その度に、一生懸命、何かの匂いを嗅ぐように、サルは赤いボタンに顔を近づけます。
そうこうするうちに、サルは赤いボタンの前に座り込み、その場から離れなくなりました。
もう、青いボタンなんかに興味はありません!
サルは、1週間もしないうちに、赤いボタンから出るニコチンガスの「中毒」になったのです!
次に、青いボタンは空気だけが出るように、そのままの状態。
赤いボタンも、ニコチンガスではなく、空気のみが出るようにしてみました。
すると・・・
サルは、何度押しても出ないニコチンの匂いを欲しがり、食べることも寝ることも忘れて、陶酔の表情で、1日中、赤いボタンを押し続けました。
その背中は、タバコが吸えない時、必死にタバコを我慢する、中年の男性の背中に見えた、と研究者は語ります(笑)
悲しいですね~、悲しすぎます!
きっと、タバコを我慢する時の、われわれ人間の姿も、さほど変わりはないのでしょうね。
もう、これは・・・哀れとしか、表現の方法がありません(汗)
非喫煙者の人には、喫煙者の姿も、このように見えているのでしょうか?
本気で、タバコを止めようと思いました(苦笑)