喫煙の始まり

続いて、喫煙という習慣の歴史を見ていきます。

これについては諸説あり、確実なことはわかっていないのですが、多くの文献によると1500年ほど前にはすでに喫煙習慣があったことがわかっています。

これは中南米、主にグアテマラやホンジュラスの周辺で栄えていたマヤ族を起源とする説です。
マヤ族は早くから太陽暦を採用していた部族で、都市ごとに政治を行い、1万を超える都市国家を築いたことでも有名です。

この都市国家の一つ「パレンケ」という都市の神殿に喫煙にまつわる遺跡が残されています。
この遺跡の神殿の壁にはエル・フマドールというマヤの重要な神がタバコをふかしている絵を見ることができます。

エル・フマドールは漏斗型のパイプを口にしており、そのパイプの先端からは煙らしきものが確認できます。
しかし、この時代のタバコは嗜好品としてではなく、喫煙は神と交信するための神聖な儀式とされていました。

もともとマヤ族は太陽を崇拝していたことから、火や煙は神聖なものとして崇める文化があったからです。

喫煙方法も現代とは異なり、地面に煙道を作り腹ばいになって煙を吸い込むという方法を取っていたようです。

その後、喫煙という習慣はインカ・アステカ文明にも伝えられ、アメリカ大陸全域に広がっていくこととなります。

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